2011年03月13日

今回の震災におけるソーシャルメディアツール利用と「自己顕示欲」とのバランス

今回の震災においては、マスメディア報道の遅れ、電話回線のパンク(制限)などによりtwitter、mixi、Facebookといったソーシャルメディアツールが活躍したのはその後の報道でも明らかにされた通りで、今もなおそれらツールが重要な役割を担っています。

しかしその一方で、デマや煽動が蔓延するなど、これまで以上に「負」の部分も同様に目立ってしまいました。

これは今回の本論ではないですが、以前から書いているように、ソーシャルメディアツールによって作られた世界は、基本的にはリアルの世界と同じだと思っています。「情報は玉石混交」「見ず知らずの人の上情報には慎重になる」これって日常生活においては当たり前の事ですよね。電車の中などでたまたま耳にした話を、多くの友達にすぐさま携帯で送信したりするでしょうか。見ず知らずの人に道端で勧められた商品を、そのまま信じて購入するでしょうか。それはさすがに無いはずです。

* * *

それと同時に、今回更に気づいた事があります。それは、ソーシャルメディアツール(主にtwitter)利用においても「受け手が誰か」を多少なりとも意識する必用があるのではないか、という事です(※twitterは本来「自由なつぶやきツール」であり、それが良い点なのですが、今回はあまりそういう使われ方はされていないよね、という前提に立っています)。

この2日間、twitterで自分の発言がどんどんRTされていく現象が起きました。しかし、そういった方々からのフォローやリスト登録は全くと言っていいほど増えていません(非公開リストに登録されていれば良いのですが・・)。

これを見て感じたのが、今回もの凄く増えているtwitterのRTって、”うがった”見方をすると、RTしている人に「自己顕示欲」が働いているのではないか??という点なんです。

と、いきなり飛躍のある問題提起なので少し細かく書きます。これは非常にデリケートな意見なので言葉を選ぶのが難しいですが・・いわゆる「αツイッタラー」と言われるような、フォロワーが数千もしくは1万以上の人であれば、不特定多数の人々に対する情報の発信者であり、まさに「個人メディア」であると言い切れます。当然、発信した情報の受け手の顔が見えない代わりに、「メディア」としての責任感が伴います(この点についてここではこれ以上言及しません)。


しかし、フォロワー数が数十〜数百前半くらいまでの単位の場合、自分のフォロワーの方の顔が大体分かるのではないでしょうか。もしかしたらそれはリアルの人間関係とほど近いかもしれない。これはtwitterに限らず、よりリアルの関係性に近いmixiやFacebook
など(SNS)では更にその可能性が高い。

とした場合、自分がネット上で見聞きした情報をRTしたり共有する際に、それは果たしてフォロワーさんに必要な情報なのか?という意識も必要になってくるのではないでしょうか。また受け手となった人も、自分のよく知る人から送られてきた情報だからといって、それを更に自分のフォロワーの人に伝える必要があるのか?という過程を経ているかどうかも同様です。これが無いと、情報のばら撒きになってしまうだけでなく、デマなども拡散させてしまう。

ちなみに自分は今回、twitterにおいてまず情報を集め、マイミクの皆さんはまだあまりtwitterを使っていないので、速報性という意味で内容をボイスに転記してきました。まFacebookにおいては主に海外の友人(日本人以外の友人含む)や、日本にいる海外の方に対し(拡散による情報の伝達を目的として)、英語や他の言語のソース投稿したり、(言語を問わない)画像や動画の投稿を行ってきました。

一方でtwitterにおいては、ソーシャルメディアに限らず、ネットマーケティングの現場に長く関わる人間として、デマや煽動を防ぐ努力をしたり、RTの中で語られていない別の見方などを、自分の意見として発信してきました。


ところが今回の一連のソーシャルメディアツールの利用拡大を見ていると、困っている人を助けるための「拡散希望」は、それが真実であれば良いのですが、特定個人に対する批判などの発言や、不安を煽るだけのような発言さえもが、「右から左」に伝わり拡大しているように思えました。

それはもはや「受け手」たるフォロワーの方に意識が向いておらず、また(そうで無いと願いたいですが)支援・応援の気持ちでもなく、ともすれば先に問題提起したような、自身の「自己顕示欲」にすり替わっていないか?と思うのです。もっと言えば、「“自分の”コンテンツ集め」になってやしないか、とすら感じてしまう。

* * *

ソーシャルメディアツールはまぎれもなく「コミュニケーション手段」です。ブラウザのブックマークやブックマークツール(後者にはソーシャルな機能がついている場合もありますが)と違い、twitterやSNSにおいては自分の発言が「双方向」になります。つまり、コミュニケーションが必然的に生じる。逆に単に情報をメモしておきたい(=コンテンツ集め)のであれば、twitterにはお気に入り機能もあるので、あくまで個人として関心のある内容はRTではなくお気に入りに登録するだけでも良い。

上記のようにソーシャルメディアツールにが形成する人間関係を考えた場合には、「知らない人の情報をRTや共有するのであればそのソースがどんな人か確認する」「情報を選別する」必要もあるでしょうし(そこで誤報の拡散が防げる可能性もあります)、また「それを自分のフォロワーやマイミク、フレンドの方々も見るんだよな」という意識も必要になります。またRTした以上は、ソース元の人をまだフォローしていなかったのであれば、「RTをきっかけにフォローしてみても良いのではないか」と思うんです。

もちろん、「自己顕示欲」自体を否定している訳ではありません。ネットは自由な自己表現・情報発信の場であり、そしてそれをより容易に実現させてくれている。しかし、今回のような局面においては、それは求められていないのではないか?という意見です。なぜなら、今回多く発信されているのは「個人の意見」ではなく「情報の引用」であり、それを目的とするのであれば、信頼できるソース元を1度共有すれば済むのではないかと思うからです。

まだ暫くの間、震災に対するtwitter利用は続くでしょう。ここで皆さんにおいては、自分のソーシャルメディアツール上の人間関係がどうであるか、自分はどのようにそのツールを使いたいのか、今一度冷静になって考えてみて欲しいと、今回強く思いました。


※この記事はあくまでソーシャルメディアツールの利用方法についての意見であり、震災自体に対する姿勢・意見は自分のtwitterをご覧頂くことでお分かり頂けると思います。


【3/16追記】
時間がたつにつれて、これまでそこまでソーシャルメディアツール(特にtwitter)を使わなかった人たちがどんどん利用頻度を高めています。情報のインプット用としては良いのですが、アウトプットについては少し冷静になって欲しいです。

我々のように被災地から離れていても、確かに(特に一人で居たりすると)恐いし、誰かと繋がりたくなる。そういった時に地震があると、「地震だ」だけのtweetが大量に流れます。でもそれは、肝心な情報をTLの中に埋めてしまう可能性もある。

そんな時、仲間同士でのtwitter利用であれば、相互フォロー同士で形成された「ビッグチャット」用途を活かせばいいと思います。コミュニティの中の誰か一人にReply(@)で話しかければ、相互フォローしている仲間にだけそれが見える。で、そこにかぶせていけばいい訳です。もしくは、他のSNS(最近使ってなかったものを仲間で復活させてもいいと思います)に分散させるとか。※もちろん、ネットインフラ維持のため、堪えることができる内容(tweet)はぐっと堪える、も時には必要と考えています。

※合わせて、著名な方々やマスコミ報道の「言葉の端々」をつかまえたDisや論争も、できれば減っていってくれたらな、と願っています。。

* * *

3月11日は1日のtweet数が1億7700万と発表されました。それを支えたtwitterのインフラは本当に凄いし、感謝しています。と同時に、もし万が一いまtwitterが落ちたら大変なことになる。

皆さんは、ソーシャルメディアツールの利用方法の区別(利用自体が悪いとは言っていません)について、いま一度冷静になってみてはいかがでしょうか。現在、インフラのスタッフの方々は、きっともの凄い努力をされています。

※ここから先は、皆さんそれぞれの考え方と、ツール利用に「より慣れること」に委ねようと思います。




  

Posted by funkaholic at 18:13Comments(0)TrackBack(0)

2011年03月02日

Webマーケティングのサミットに登壇します!(ちょっとだけ)

WOMJ今回は、ダンス関係でも本業関連でもなく、1マーケターとしてのご案内です。

自分が社外で参加している団体、WOMマーケティング協議会(WOMJ)が、来たる3/16(水)に大規模なサミットを開催します。


WOM(Word Of Mouth)=クチコミのマーケティングというとちょっと怪しい?響きがしますが(笑)、要はブログやTwiiter、Facebook、mixiといった「ソーシャルメディア(またはCGM)」上で、企業がどうやって消費者と良い関係を築くか、もしくは、これらソーシャルメディアの、企業による誤った使用をなくしインターネットマーケティングを健全に保とう、というのがこの任意団体の主旨なんです。

自分はこの分野の海外での成功事例やメソッドの白書の翻訳発表セッション(16:05〜)で、プロジェクトメンバーとして少しだけ登壇します(喋る機会あるかどうかは分からないけれど)。※ちなみに個人として参加しているので、プログラムに個人名は出ていないですが。


なおチケットは10,000円となっていますが・・セッションのメンバーを見て頂ければ決して高くない事がお分かり頂けるはず。しかもこのサミットではいわゆる事例の紹介に留まらず、ソーシャルメディアマーケティングの抱える“課題”や“可能性”について、広告主(事業会社)・広告代理店・ネットメディア・リサーチ会社・Webサービス企業・さらには経済産業省からもゲストを招いてのサミットとなります。

なので「事例だけ聞いても、それをそのまま自社には落としこめない・・」といった方も、ここでその「考え方」を持ち帰って頂き、それぞれの企業・サービス・商品に当てはめて応用して頂くことができると思っています。

ネット分野、広告・マーケティング分野に居る方に関わらず、広くビジネスパーソンの皆さんや、就職を控えた学生の皆さん(にはこの費用はさすがに高いかもですが・・)にも聞いて頂きたい内容がもりだ沢山!のサミットです。当日もしご都合がつく方は、ぜひお越しください!


※将来はここに、運営側ではなくゲストとして招かれるような存在になりたいなぁ・・と思いつつ、まずは運営側として、当日は早朝から頑張ってきます!


* * *

WOMマーケティングサミット2011プログラム◆09:00〜09:05 Welcome Speech

 WOMマーケティング協議会 事務局長
 蠹田魅僖屮螢奪リレーションズ シニアコンサルタント
 細川 一成

◆09:05〜09:10 サミット開会の挨拶

 WOMマーケティング協議会 理事長
 ビルコム蝓‖緝充萃役兼CEO
 太田 滋

◆09:10〜10:10 KeyNote.1 『調整中』

 Ogilvy Regional Strategy Director
 John Stauffer

◆10:15〜11:15 KeyNote.2 『ソーシャルメディアマーケティングの現状とその計測的側面〜効果測定の意義とその手法の詳細〜』

 ネットレイティングス蝓‖緝充萃役社長
 千葉 尚志

◆11:30〜12:30 WOMMA Summit 2010 報告

 WOMマーケティング協議会理事

◆14:00〜14:15(A会場) Welcome Speech
 
 事例研究運営委員会委員長
 アジャイルメディア・ネットワーク蠡緝充萃役社長CEO
 徳力 基彦

 海外事例研究委員会 委員長
 螢妊献織襯レージ 上級執行役員Twitterカンパニー EVP
 CGMマーケティング 取締役COO
 佐々木 智也

◆14:00〜14:15(B会場) Welcome Speech

 ガイドライン委員会委員長
 ブロガー
 藤代 裕之

 効果測定メソッド委員会委員長
 蠻酳麁横庁戰瓮妊アパートナーズ メディア環境研究所主任研究員
 森永 真弓

◆14:15〜15:00(A会場) 『マーケティングは全てWOMへ帰結する』

 花王蝓〆鄒センターWeb作成部 グループリーダー
 板橋 万里子

 NEC CRM本部宣伝部 WEBコミュニケーショングループ マネージャー
 田中 滋子

 UCCホールディングス蝓EC推進室 係長
 吉場 麻紀

◆14:15〜15:00(B会場) 『WOMJガイドラインの浸透と今後の課題』

 螢ーラバズ 代表取締役CEO
 佐野 真啓

 螢▲ぅ好織ぅ襦ー萃役最高コミュニティ責任者兼@コスメ主宰
 山田 メユミ

 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長補佐
 吉川 徳明

◆15:10〜15:55(A会場) 『フェイスブックを活用したユニクロのグローバルクチコミマーケティング』

 螢罐縫ロ グローバルコミュニケーション部  リーダー
 松沼 礼

◆15:10〜15:55(B会場) 『ソーシャルメディアのマーケティングへの影響』

 明治大学 商学部 准教授
 水野 誠

 効果測定メソッド委員会委員長
 蠻酳麁横庁戰瓮妊アパートナーズ メディア環境研究所 主任研究員
 森永 真弓

 廣告社CMS局CP2部 統括部次長
 中島 正之


◆16:05〜16:50(A会場) 『女子中高生向けケータイサイトでのWOM展開』

 蠻酳麁横庁戰瓮妊アパートナーズ iメディアソリューション局ソーシャルメディアビジネス部部長
 永井 隆太

 螢圈璽優好函〃弍調覯莠室篠
 佐藤 竜史

◆16:05〜16:50(B会場) 『海外から学ぶソーシャルメディアマーケティング〜WOMMAホワイトペーパーより

 海外事例研究委員会 委員長
 螢妊献織襯レージ上級執行役員Twitterカンパニー EVP
 CGMマーケティング 取締役COO
 佐々木 智也
 他 海外事例研究委員 ←【☆ここで出ます】

◆17:00〜17:45(A会場) 『WOM、ソーシャルメディアは、集客や利益拡大につながるか!?』

 螢▲汽帖 ディ・ケイ 第2コミュニケーションプランニングユニット 第7CP局長
 井上 一郎

 衫鰭雰弉茵web事業部長
 奥谷 孝司

 螢哀譽ぅ后‖緝充萃役
 中村 仁


◆17:00〜17:45(B会場) 『愛されメディアの作り方』

 ガイドライン委員会 委員長
 藤代 裕之

 蠧蒜篆景硬豕本社 大手小町 編集長
 稲沢 裕子

 螢縫錺鵐粥‖緝充萃役社長
 杉本 誠司


◆17:55〜18:40(A会場) 『ソーシャルメディア時代のマーケティングの期待と課題』

 アジャイルメディア・ネットワーク蝓‖緝充萃役社長CEO
 徳力 基彦

 アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.
 個人事業部門 マーケティング統括副社長
 中島 好美


◆17:55〜18:40(B会場) 『ソーシャルメディアで人生変わりましたか?』

 蠹田漫シニア・クリエイティブ・ディレクター/サトナオ・オープンラボ主宰
 佐藤 尚之

 蠻酳麁横庁戰瓮妊アパートナーズ エグゼクティブクリエイティブディレクター
 佐藤 達郎

 螢妊グナ 代表取締役
 梅崎 健理


◆18:40〜19:00(A会場) RuminationSpeech

 事例研究運営委員会 委員長
 徳力 基彦

 海外事例研究委員会 委員長
 佐々木 智也

◆18:40〜19:00(B会場) RuminationSpeech

 ガイドライン委員会 委員長
 藤代 裕之

 効果測定メソッド委員会 委員長
 森永 真弓

◆19:30〜21:30 懇親会

==================================================================

ご参加頂ける皆様と共に、理事・事務局一同全員参加で、
ご登壇者の方々と有意義な情報交換、
意見交換が出来ればと思います!

是非、ご参加ください!


■WOMマーケティングサミット2011概要

◆主催:WOMマーケティング協議会
◆日時:2011年3月16日(水) 09:00〜19:00
◆場所:六本木アカデミーヒルズ40F

◆参加費用
【全日参加】
一般:10,000円
法人会員:3名まで無料(4人目以降は1人7,500円)
個人/学識会員:7,500円

【午後のみ参加】
一般:9,000円
法人会員:6,500円
個人/学識会員:6,500円


◆参加申し込み(e+)
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P0100P002052797P0050001P006001P0030001
お申し込みは先着順となりますので、お早めにお買い求め下さい!

  
Posted by funkaholic at 02:42Comments(0)TrackBack(0)

2010年12月31日

「公私混同」ソーシャルメディア利用のメリット・デメリット

2010年はtwitterが大ブレイクし、その中で、個人が、個人でありながら仕事用途でソーシャルメディアを使うケースも、ブログ→SNSを経てtwitterで大きく拡大しました。ところがこのような流れのなかでよく耳にしたのが、「ソーシャルメディアのアカウントを仕事とプライベートで分けるか否か」という議論。これは「仕事/プライベート」「分ける/分けない」といった2分法では(それぞれの言葉の定義が広いため)なかなか話が難しくなってきます。なのでここで双方のメリット・デメリットを少し整理してみようかと思います。


ソーシャルメディアの「仕事利用」。その目的や具体的な用途は以下のようなものでしょうか。



  • 個人として情報や意見を発信し、メディア(媒体=CGM)となる

  • 異業種交流会、勉強会、セミナーなど「リアルの場」で知り合ったと、ビジネスのスタンスで交流する/関係性を強める

  • ネット上での共通の趣味関心などから、非リアルでありながら交流する/関係性を強める


※ここでの「仕事用途」からは企業の公式アカウントや「中の人」など、企業としてのソーシャルメディア利用は除きます(この場合は完全に個人ではなく企業の1スタッフとしての立場だからです)。


一方、当然ながらプライベートでの人間関係の維持/交流/強化を目的としてソーシャルメディアを利用する場合もあります。twitterで言えば、@によるフォロワー同士での複数人での会話(=ビッグチャット)などがその代表例でしょう。


ここで、前述の議論について、メリットとデメリットを書き出してみます。

■メリット
・急に話は大きくなりますが・・社会学の研究対象でもある、第32代アメリカ大統領のフランクリン・ルーズベルトがとった「炉辺談話(fireside chats)※」のように、仕事用途での情報発信を主体とする人が、趣味や私生活、時には感情的な部分を見せることで、そこに「人間性」が垣間見え、関係性が強化される(と言うと大袈裟ですが、つまりは普通の「人対人」のコミュニケーションに近くなる)。
※当時の最新メディアであるラジオを通じて国民との対話を重視し、自身の私生活などまでも話題とすることで国民の支持を集め、アメリカ政治史上で唯一四選されたというエピソード(出展:Wikipedia)

・読み手にとって普段は接しない情報を発信することで、情報の「選択的接触」を崩し、新たな気付きを与える可能性がある。


■デメリット
・読み手(ブログ読者やSNSのフレンド、twitterのフォロワー)にとって、ブログであればカテゴリ分け、SNSであれば日記のタイトルなどでおおよそ内容を判別し、「読む/読まない」を判断することもできるが、しかしtwitterの場合、複数のジャンルの情報がタイムライン流れてくることでタイムラインが埋もれる事をを嫌う人もいる
・そもそも読み手が特定の情報のみ~仕事もしくはプライベートのどちらか~を望んでいる場合、その双方を強制的に発信してしまう


* * *

今回、この議論について結論をまとめるつもりはありません。ただ、上記のように整理をしてみようとしたところで、実は上記の「プライベート」にも、以下のような「幅」があり、それをどこまで「プライベート」と呼ぶかは人によっても違うし、また同じ内容であっても、それが許される人とそうでない人、許される場合とそうでない場合があると感じています。


<様々な「プライベート」>



  • 趣味に関する情報収集や、それに基づく発言

  • 個人の私生活(食事や出かけ先に関する写真投稿や発言)

  • 仕事や生活に関するの愚痴

  • (主にリアルの)特定個人間でしか分からない会話

  • 親しい友人にのみ言うべきような話

  • 相手を特定しない、たんなる“つぶやき”

  • 酔っ払った勢いでの発言



例えば、ブログで生計を立てているような人(当然、読者も沢山いて「メディア」となっています)が、極めて限定的な人にしか分からない内容(しかもリアルでの人間関係に関すること)などを発信したとします。この場合を、この例だけで「良し悪し」を決められるでしょうか。読み手によっては「こういう話はどこか別のところでやってくれ」と思うかもしれません。別の人は「この人もこういう側面があるんだ」と感じ、よりファンになるかもしれません。



また、こんなケースもあると思います。

■メリット:その他のケース
ちなみに・・また違った切り口として、(自分の例になってしまいますが)自分はマーケターとダンサー、2つの立場を混同して利用しています(後者は仕事とも趣味とも、またはプライベートとも取れます)。これはセルフブランディングに非常に役立っていて、ネット上での交流が主である方にリアルの場でお会いした際、「あ、ダンサーの方ですよね」と覚えていて頂けることが多い。そんなケースもあったりします。


■デメリット:その他のケース
こうした「仕事用途」というのは非常に線引きが曖昧です。また業務でこうした領域に深く関わっていない人にとっては、非常に「分かりにくい世界」でもあります(「分からない方が悪い」とは一切思っておらず「どちらかといえば分かりにくいほうがよくない」とは思っています)。
そのため、例えばリアルの人間の友人同士、恋人同士などで悩み相談やケンカなどをしたすぐ後に、ソーシャルメディア上でまったく別の顔で発言をしていたりするのを見て、相手の気分を害してしまうこともあります(自分も経験があり、その際にはリアルの世界できちんとお詫びをしましたが・・)。
※そもそも「ソーシャルメディア」も色々あるので、個々のソーシャルメディアごとに話は変わってくるかもしえません。


* * *

と書いてきて、やはり結論を出すつもりはないのですが、1つだけ「やってはいけない」と思うのは、このように曖昧な「場」であるが故に、受け手・読み手たる人は発信者の発言を様々な解釈で受け取ります。そして様々な反応を返してくれます。また、発信者たる皆さんも、「公」「私」を、自分なりに明確に線引きできているかというと、それも非常に難しい。

そんな状況の中で発信者となる人は、(明確なガイドラインでも明示していない限りは:いかなる利用法にせよ個人としてのソーシャルメディア利用でそこまでやる必要はないと思っていますが)「自分はこのように使っているから、このようなRTは困る」といったような事を言ってはいけない。そもそも、ネット上で世界に公開されている情報である訳ですし、そこに表現されていない部分を第3者がコメント、リプライやRTなどで補足したとしても、それはリアルのコミュニケーションでも起こりうる(むしろリアルでこそ起こる)、極めて自然な行為だからです。



以上、まとまりのない投稿になってしまいましたが・・先ほど自分のtweetに対して幾つかご意見を頂いたので、140文字では表現できない部分も含め、ざーっと書き出してみました。


ちなみに以下は極めて私見になりますが、ただ結局ソーシャルメディアは「人そのもの」。なので用途を分けるかという議論は、リアルの世界での会話を「相手によって区別するか」とも近いものがあり、それもまたケースバイケースで、先ほど述べた「意見や関心事に幅がある/相手に合わせて空気を読める」、「直感的な発言が良い/何でもかんでも話しすぎる」・・など、同様の「賛否両論」があるのかなと思います。

つまり、ソーシャルメディア上のコミュニケーション力は当然、属人的なものだし、それはリアルのコミュニケーション力と直結する。結局・・まずはリアルでのコミュニケーション力を磨きなさい、ということなのかな、と自分では思ってしまいました。


2010年ももうすぐ終わりですが・・この1年、自分自身にとっては、マーケティング界においてはtwitterが、ダンサーとしてはSNSやYouTubeが、大きく人間関係を広げてくれました。正にソーシャルメディアに助けられた1年。とはいえ今回書いたような課題は自分自身でも感じているので、来年以降も、引き続き考えていこうと思っています。

  
Posted by funkaholic at 20:10Comments(0)TrackBack(0)

2010年12月22日

「オウンド・ソーシャルメディア」という考え方

今年よく使われたマーケティング用語の1つに「トリプルメディア」というものがありました。

・ペイドメディア(Paid Media):「買う」メディア=いわゆる「媒体」
・オウンドメディア(Owned Media):「所有する」メディア=自社サイト(のメディア化/コミュニティ化)、顧客・会員など
・ソーシャルメディア(Social Media)※:ブログやtwitter,Facebookなど

※ここではSocial Mediaを「媒体」に近い意味で捉えていますが、自分の考えるSocial Mediaの定義は以下のようなものです。

それでは「ソーシャルメディア」における「メディア」は、上記のどちらにあたるでしょうか。そう、「コミュニケーションの媒介手段」の方なんです。決して「情報媒体」ではない。もっと言うと、「情報媒体」であるためには、(これも「メディア論」的になってきますが)幾つかの一定の機能を持たなければならない。例えば「A:速報性や独自性があり、一個人では入手できない情報を発信できること」、「B:世論を代表していること」、「C:権威ある正しい情報であること」など(これはまだ私見の段階なので、これから情報を集めていこうと思います)がそれにあたると思います。

【関連記事】
ソーシャルメディアに対する「誤解」とは(1)
ソーシャルメディアに対する「誤解」とは(2)



ここ最近、自分がWOMJという組織に所属しソーシャルメディアマーケティングに関する情報を集めていたり、現業でその領域の担当をしているからか、社内や社外でよく「ソーシャルメディアを使いたいんだけど、アドバイスが欲しい」と相談されるようになりました。ただ残念ながら、その最初の段階での動機は、「十分な広告コストがない」「話題喚起性がある(からクチコミが起こるはず)」「新しい試みをしたい」といったような、上記の自分の定義における「媒体」という側面でソーシャルメディアを捉えた場合の相談が多いなぁ、とまだ感じています。

そういった際、ご相談下さった方に必ず聞くようにしているのは、

「ソーシャルメディア」とは、「(主にオンラインの)ソーシャルメディアツール(≒CGM:Consumer Generated Media)を使っている人(や集団、“場”)」だけとは限らないでのでは??

という事です。


例えば、その商品やサービスが何かしらの会員制度を持っていて、その中に一定比率の「お得意様」がいる。もしくは「リアルで行っているサービス(各種のLiveやイベントなど)などで一定の集客ができている」とします。これらの人は、冒頭の「トリプルメディア」でいうと、「オウンドメディア」になります。

自分はここに「灯台下暗し」があると思っています。「コミュニケーションの媒介手段」としての意味でソーシャルメディアを考えた場合、その「メディア(=個人や集団、“場”)」が与えてくれるものは、
・商品やサービスに対する不満/改善要望/お褒めなどの意見
・商品やサービス利用者同士の意見交換(この場合は比較サイトなど第3者サイト上で行われますが)
・商品やサービスの(人間の自然な営みとしての)、日常生活やネット上でのクチコミ

だと思います。



さて。もうお気づきと思います。これって「ソーシャルメディアがもたらしてくれる恩恵」として、色々な所で書かれ、論じられている内容と同じなんです。

ではどうするか。答えは至ってシンプルです。まずは自分たちの顧客やメルマガ会員など(オウンドメディア)に対し、商品・サービスに関するアンケート調査を行い、その結果を商品・サービス開発にフィードバックしたり、場合によってはサイト上やニュースリリースなどで公に開示する※。もしくは彼らの顧客満足度を高める努力をする(会員インセンティブを与える、といった話に限らず、まずはお客様サポート体制を改善するなど)。
【※参考】
・お客さまのご意見に対する取り組み(ライフネット生命)
・トルノスお客様の声(トルノス)


つまり、「トリプルメディア」論における「オウンドメディア」の中には、(コミュニケーションの媒介手段)として捉えた場合の「ソーシャルメディア」を多分に内包しているんです。



よく「ソーシャルメディアは“魔法の杖”ではない」と言われます。これは全くその通りだと思います。特に「十分なマーケティング(広告)費用が無いから・・」といって「無料で使える」「自社商品・サービスの外にある」ソーシャルメディアによるマーケティングを検討されている方は、まず既に皆さんのもとに集まっている「オウンド・ソーシャルメディア」たる方々(お客様)との関係性の構築・強化から取り組んでみることをお勧めします。

加えて・・この場合のコミュニケーションの対象は「自社のお客様」なので、仮にクレームを頂いたとしても、それは「良いお客様」であり、外の世界のソーシャルメディアに踏み込んでいく際にどうしてもテイクしなければならない、万が一の“炎上リスク”とは大きく異なります。


※もちろんこの論は商品・サービスによっては当てはまらないかもしれません。ただ今年を通じて自分が一番強く感じたのがこの考え方であり、ひいてはこれは「お客様の声を聞く」という、極めてプリミティブな商いの基本にも通じる話だったりもするので、今年のまとめの1つとして、また今後の自身の検証課題の1つとして、ポストしておきます。



  
Posted by funkaholic at 08:11Comments(0)TrackBack(0)

2010年08月31日

CGMの使い分け

さて。最近このブログはマーケ関係の記事に寄せてますが、実は色々なところで使い分けて情報を公開しています。今までは比較的どこも同じ内容でコピってたんだですが、最近仕事関連の情報発信でブログを書く機会も増えてきたのでそろそろ役割分担しようかなと。

ちなみに最近、仕事に関連するブログの書き方が変わってきたような気がします(自分の場合)。順序として、1.twitterで自分の意見を投げて反応を確認 2.反応あったtweetはTumblrに雑感としてメモ 3.時間あるときに雑感をまとめてblog記事に。

これは毎回必ずではないけれど、現在はblogよりもtwitterの方が意見に対する反応が得られやすいので(逆にブログとしてまとめちゃうと意見が出にくい、コメントもつきにくい)、必然的にこうなってます。


<そんな訳で自分のメディア一覧>

○twitter
http://twitter.com/fooming
→色々つぶやいてますが、大半は仕事(マーケティング/EC/組織運営)関係。ここで反応があった内容を↓のTumblrに雑感としてメモしてます。
※過去ログはtwilogに連携させてます。あとは情報収集&意見を一言添えてRTで共有。
http://twilog.org/fooming

○Tumblr
http://fooming.tumblr.com/
→ブックマークしてるのは仕事、音楽、アート、ファッション関連の情報。+twitterで反応があった内容について雑感(短い意見のメモとか)も書いてます。

○livedoor blog
http://fooming.com
→5年前から書いてます。これまではmixi日記のコピーでしたが、最近はマーケティング関連の内容に振り切ってます(+多少の日常日記)。Tumblrで書いた雑感を、時間があるときにまとめて記事にしてる感じ。

○mixi
http://mixi.jp/show_profile.pl?id=306563
→自分の仕事以外の友達はmixiユーザーが多いので、実は今でもメインのSNS。写真や動画の共有はまだmixiが中心です。

○Ameba
http://ameblo.jp/fooming/
→mixiやってない人向けのオープン日記はこっちに以降しました。なので内容はダンス/音楽/ファッション中心。

○YouTube
http://www.youtube.com/fooming
→レッスン動画や、お気に入りのPV、気になったダンス動画など。

○Facebook
http://www.facebook.com/FOOMIN
→Facebookはまだあまり活用できてなくて、現状はtwitterとTumblrとYouTubeの投稿を連携させてるくらいです。これからはもっと活用していきたい。

○GREE
http://gree.jp/129917
→当初はmixiと平行してやってましたが、今は殆ど見てません。。livrdoor blogを日記連携させてるくらい。

それ以外に、公開できないメモ(新サービスのアイデアとか)はevernoteを使ってます。


そんな訳で、それぞれやってる人いたら覗いてみてくださいー。
  
Posted by funkaholic at 08:16Comments(0)TrackBack(0)

2010年08月16日

ソーシャルメディアに対する「誤解」とは(2)

前回の投稿からすっかり間があいてしまいましたが、「ソーシャルメディアに対する『誤解』とは」の後編です。

■今回のテーマ
前回は「ソーシャルメディア」の「メディア」の定義の受け止め方によって「誤解」が生じているのではないか?という内容でした。今回は【企業は生活者(消費者)の生活の場に土足で踏み込んではいけない】、この昔から当たり前に言われている「常識(?)」を、少し社会学の観点も交えて考えてみたいと思います。


■「ソーシャルメディア」についての前回の要約と、その「質の低下」
とはいっても結論はシンプルかつ当たり前の話で、「企業やブランドは人格を持って生活者(=消費者)と相対すべき」って事だけなんです。そもそも今日のようにブログやSNS(mixiやGREE、Facebook)、twitter(これらを総称してCGM:Consumer Generated Mediaといいます)が普及した世界では、生活者一人一人が、自由にネット上で発言をしたり、会った事のない人と会話をしたり、おすすめ(口コミ)を信じたりしている。ちなみにこういう「場」を、「ソーシャルメディア」と言います(前回この辺をちゃんと書いてなかったので補足しておきます)。

で、前回書いたように、それを「テレビに変わる新しいメディアだ」といって広告会社がクライアントに提案しまくってきました。「ソーシャルメディアを使えば、安く口コミを起こして商品が売れる」と。でも(繰り返しになりますが)ソーシャルメディアは決して「メディア(媒体)」でもなければ「広告枠」でもない。それを勘違いしたサービスの例として、「○円払うからブログ記事を書いてください」という広告モデル(PPP:Pay Per Post)というものがあり、その結果としてこういった事に慣れていないブログ(ネット)初心者ユーザー中心にお小遣い稼ぎの「価値のない」記事がネット上に蔓延した。更にはそれを見て「騙された」と思った人が消費者センターに駆け込んだりして・・おそらく近いうちに、国もそれを放っておけなくなってくるのではないでしょうか(ちなみにこうした「悪循環」を統制しようという団体がWOMJ:Word Of Mouth 協議会:口コミマーケティング協議会で、自分も会員として参加させて頂いています)。


■ソーシャルメディアにおける「過ち」
一方、ネット上でのコミュニケ−ションに慣れた人達は賢いです。こうした
「やらせ」記事はすぐに発見され、クライアント企業がつるし上げられる(海外ではウォルマート、国内ではソニーのメモリースティックウォークマンの例が有名ですが・・注:例としては古いですが、同様のことは小規模ながら今日も多数、かつ絶えず生まれています)。でも、本当にいけないのは、ソーシャルメディアの本質を知らずに/もしくは隠してクライアントに提案している口コミ事業者であったり、もしくは、やや極論ではありますが「玉石混交」のネット上の情報を鵜呑みにしてしまう生活者だったり※するんです。

※これは身近な一般生活の例に置き換えると分かりやすいです。誰でも、道端で通りかかった見知らぬ人の言う事を信じて買い物をして失敗したとして、果たして文句を言いますか?というだけの話なんです。なので自分たちは、業界を正すと同時に生活者に対してもこうした「ネットの基礎知識」を啓蒙していかなければならない。


■社会学的な観点から―「匿名的な他者との接触」
で、社会学の話です。そもそも社会学は(非常に簡略化して言うと)産業革命以後のヨーロッパに「都市」が成立し、地方から都市への人口の移動が起こり、それまでのいわゆる「ムラ社会=通りかかる人が誰であるかを皆が知っている」小さなコミュニティから、「見知らぬ人との接触がある」社会へと変容したことに伴って、1つの学問としてその産声を上げました。

ここで一気に時代をワープさせます。ネットは「都市における匿名的な他者との接触」において、人と人とのコミュニケーションから「距離」と「時間」の概念を取り払い、(良い意味で)結果として「全く知らない人」とも会話をしたり、コミュニティ上で意見を交わしたり情報提供しあって助け合ったりするようになった。これは初期のネット(メーリングリストや掲示板など)がもたらした「革命」であり「コミュニケーションの進化」です。

# ここでの「意見交換の場」を、同じく社会学で考えると「中世のサロン」もしくはハバーマスの「公共圏」の概念が当てはまるかもしれません。この部分は自分でももっと掘り下げてみたいと思っています)

ところが・・リアル世界でのコミュニケーションに目を向けてみてください。「都市における匿名的な他者との接触」が当たり前になった今日では、例えば電車の中で本や携帯を見て無意識に自分を防御したり、ガラガラの電車の中で次ぎに乗ってきた人がいきなり自分の隣に座ってきたら恐かったり※(これらは厳密には社会心理学ですが)・・といった自己防衛反応が働いています。ところが、これまでネット上ではその「機能(本能?)」がなかった(弱かった)。結果として「騙された」「ネット上の情報は危険」という風潮が、マスコミ報道なども含め助長されつつあった時期もありました(最近は少し減った気がしますが)。


■社会学的な観点から―では今日のコミュニケーションについては??
前述のようにCGM全盛の今日になり、ブログやSNS、特に(日本ではまだあまり普及していませんが)「実名や実経歴を前提としたSNSである」Facebookの普及に伴い、ネット上の人間が「匿名的」ではなくなってきました※。そうなってくると・・会った事もなく、距離も、時間も超えているけれど、前提として「正しいバックグラウンドを公開して」ネット上でコミュニケーションを取る人が増えてきた。これは、もしかすると社会学成立以前の、「ムラ社会」と同じではないか、と。

※一方で日本で先行して普及しているmixiも、名前こそ偽名が多いものの「リアルでの知り合いが中心の繋がり=匿名ではない繋がり」に移行した感があります(サービス開始当初は知らない人同士の繋がり要素がありましたが、今ではどちらかと言うとリアルの人間関係を補完する「仲間内のコミュニティ」要素が強くなっています)。ただmixiの場合は「知らない人には見せなくない」という点でfacabookとは大きく異なっていますが。


■それでは・・企業のソーシャルメディアメディアとの接し方は?
こうして考えると、CGMによって生活者同士がコミュニケーションを行っている「ソーシャルメディア(やはり「メディア」とつくからややこしいんですね)」において発言するには、【自分も身分を明かさなければならない】。それは企業においても同様で、ソーシャルメディアの中に入れてもらい、その中で一般の生活者と企業がコミュニケーションを取るためには、まさに企業は「人格」を持たなければならない。例えばtwitterにおいてsoftbankが、経営者(孫さん)自らが自らの責任において発言しているように。

でも「企業は人格を持って生活者と接しなければならない」という事は昔から普通に言われてきたことですし、そしてもちろん「ネットの新しい技術(サービス:twitterとか)やデバイス(iPhoneとか)は決して「メディア」ではなく、あくまでコミュニケーションのインフラ」にすぎないというのも改めて言うべき話ではないのかもしれません。でも同じ「誤解」が繰り返されるのは、やはり多くの人がまだこの「ソーシャルメディア」を本当に理解できていないからなのではないかと思うんです。

でも、これまで書いてきたように、至ってシンプルに言えば、ソーシャルメディアに企業が入り込むには、一般生活における生活者のコミュニケーションに接するのと同じ※、ということなんです。道端の井戸端会議にいきなり会社の営業マンが商品を売り込みに割って入ったり、お茶の間にいきなり土足で踏み込んだししたら嫌がられるのが普通なのと同じ。というかそもそも・・担当者レベルで、「一つの人格をもった企業として」「世の中の会話に興味を持てるか・参加したいと思っているかどうか」、これが最も重要な気がします。


企業内マーケターの方々、広告会社の方々、はたまた経営者の方々、ネット上で数多く行われている、ともすれば玉石混交な会話に、本当に(多くの時間を割いて)「参加したい、自分も一緒になって意見を交わしたい」と思えていますか??



■最後に
ソーシャルメディアの普及→広告会社が間違った使い方(「媒体」として提案)をする→炎上の事例ができる→企業の意思決定層はより一層、ネット、特にソーシャルメディアを「リスク」と考え、踏み込みにくくなっている。

自分は、個人としては所属する組織のマーケターとして正しい事例を世に示しながら(なかなか時間のかかる作業ですが・・)、一方ではソーシャルメディアに関する様々な事例や意見が集まってくるWOMJに会員として所属している立場としても、(あくまで個人的にではありますが)こうした「間違った理解」を正していきたいんです。

でもこれは「ソーシャルメディア」や「ソーシャルメディアマーケティング」、はたまた「インターネット」に限った話ではありません、その他広告においても、CS(CRM)においても、はたまた企業としての様々な営業活動においても、こうした「リアルでのプリミティブなコミュニケーションのあり方に立ち返ること」こそが、ビジネスにおいて生活者との接点が多様化した今日において間違った判断を起こさないための非常に簡単な「心構え」であり、そもそもそれこそが「お客さま視点」なんですよね。


※次回の内容は未定ですが・・「社会学×マーケター」「販売員&コールセンター出身×マーケター」もしくは「ダンサー×マーケター」である自分の、ちょっと珍しい(?)経歴を通じて感じた今日の(特にネットにおける)マーケティングに関する疑問・問題提起を、細々とではありますがこのブログで続けていこうと思っています。


▼前回の投稿
ソーシャルメディアに対する「誤解」とは(1)
  
Posted by funkaholic at 08:55Comments(0)TrackBack(0)

2010年07月23日

ソーシャルメディアに対する「誤解」とは(1)

この数ヶ月、現職での業務、ネット上の情報、その他さまざまなセミナーなどで感じた広告業界における「ソーシャルメディアに対する誤解」を自分なりにまとめてみました。特に目新しい内容は無いかもしれませんが、自分なりに「概念の整理」はできたかなと思います。

※もし間違った認識や異なる見解などありましたら、ご指摘頂けたらと思います。


■はじめに
自分はこれまで、twitterやブログなどを通じ、「ソーシャルメディアは『(広告)媒体』ではない」、あくまで「生活者がCGM(ブログやSNS、twitterなど)を通じて意見を交わす『場』」にすぎない」と言い続けてきました。これは言うまでもなく多くの識者の方も同じ事を提言しています。しかし、未だに「ソーシャルメディアを使って儲ける/成功する云々」といった触れ込みが絶えません(もっとも「正しい理解・使い方※」をしているのであれば問題ないのですが・・)。
※それでは何が「正しい」のか?については後日また書きます。


では「なぜこうした『触れ込み』」が生まれてしまったのでしょうか。もちろん、広告会社が「新たな広告枠です」「お金をかけずに(クチコミを発生させて)認知度や売上を伸ばせる手法です」と売り込んでいった背景もあります。でも彼らもビジネスですから、それは当然といえば当然の営み。そこに説明義務があったかどうかはここでは論じません。

ここでは逆に、そうした提案を受けるクライアント側にこそ「正しい理解」が必要だったのではないかと思うんです。なぜなら、彼らは最終的な「お客さま=消費者(生活者」)と直接の接点を持ち、コミュニケーションを行っているのだから。


■メディア(media)の意味
そもそも英単語の「メディア(media)」には様々な意味があります。goo辞書で調べてみても、

(1)手段。方法。媒体。特に,新聞・テレビ・ラジオなどの情報媒体。
(2)情報を保存する外部記憶装置の媒体。磁気ディスク・MO ディスクなど。
(3)情報を頒布する手段。コンピューターの分野では,(2)のメディアに加え,通信回線などが利用される。

とある。ここで特に注目したいのは(1)です。(1)をもっと掘り下げると(その際には社会学における「メディア論」などが有用なのですが、その視点からの考察は次回以降に回します)、大きく2つに分けられます。それは、

(1)-1:情報がある人から別の人へ伝達される際の媒介手段(wikipediaにも同様の記述があります)
(2)-2:媒体としての「メディア」、特にマスコミ


それでは「ソーシャルメディア」における「メディア」は、上記のどちらにあたるでしょうか。そう、「コミュニケーションの媒介手段」の方なんです。決して「情報媒体」ではない。もっと言うと、「情報媒体」であるためには、(これも「メディア論」的になってきますが)幾つかの一定の機能を持たなければならない。例えば「A:速報性や独自性があり、一個人では入手できない情報を発信できること」、「B:世論を代表していること」、「C:権威ある正しい情報であること」など(これはまだ私見の段階なので、これから情報を集めていこうと思います)がそれにあたると思います。


■ソーシャルメディアの「役割(範囲)」とは
上記のA、Bについては「ソーシャルメディア」も一定の「媒体」としての価値を持っているかもしれません。Aについて言えばtwitterの速報性には特筆すべきものがありますし、Bについて言えばネット上の「集合知」の仕組みが今後もっと広い世代に浸透していけば、それこそ世論を形成する可能性もある。

ところがCについてはどうでしょうか。ご存じの通りネット上の情報は正に「玉石混交」です。でもこれは決して悪いことではなく、そもそも我々が暮らしている日常社会でも同様です(当たり前ですが)。だからこそネット社会以前には「権威ある正しい情報の発信者」としての「メディア(情報媒体)」が信用され、重要視されてきた訳です。


■課題と展望
ところが今日、「マスメディアの崩壊」→「ネット=情報媒体=(少し飛躍しますが)全て信用できる情報だという認識の広がり」といった論調が後押しした結果、そのソーシャルメディアも「情報媒体」として捉えられるようになってしまった。ここで少し脱線しますが、以前にライフネット生命出口社長とお話しをさせて頂いた際に「生活者には(ネット上の)“玉”と“石”を見分ける能力が必要だし、それが劣っている」というご意見を伺いました。

出口さんはネット上のコンテンツのような「情報」に限らず、生活、組織、企業、経済、政治など全ての分野において横断的に「過保護な『無菌状態』は良くない」「競争と自然淘汰のある社会であるべき」と説かれています。伝統のある業界No.1の生保会社に30年以上勤められた方からのアグレッシブなご意見(?)に、非常に驚いたと同時に非常に嬉しかったのを強く覚えています(だからライフネット生命を興されたのでしょう)。

* * *

さて脱線から戻ります。つまり今日のネット社会において必要なのは、

1.2つの「メディア」の違いを、特にクライアント企業が正しく理解すること
→ソーシャルメディアはあくまで「コミュニケーションの媒介手段」であり「場」である)

2.生活者には(ネット上の)“玉”と“石”を見分ける能力が必要
→これはネットマーケティングに関わる“一個人”として、出来る範囲から少しずつ啓蒙していきたいと思っています。

3.そのうえで「新たな権威」たるメディア(情報媒体)が必要?
→ これはオールドメディアのネット版や、ネットメディア(共に情報媒体)さんに頑張ってもらいたいですね。CGMよりも権威のある情報を集め、信頼を得、読者を確保することができるか。そのためには媒体者さん自らとしても、1.2.の啓蒙が必要なんじゃないか、と思っています。


(続く)

  
Posted by funkaholic at 02:09Comments(0)TrackBack(0)