2010年03月31日

明日から社会人になる皆さんへ(それ以外の人も)

毎年、ダンスやクラブつながりで多くの学生の友人ができ、就職活動を経て社会人になっていく経過を見ています。今年もそんな季節が来たんだなぁと思うと同時に、「自分と干支が同じ世代が遂に社会人か〜」と驚いてみたり笑

で、いつも就職活動の相談などを通じて自分が関わった人に伝えている事を、今年はここに書いておこうかなと思います。それは、営業/販売/企画/生産/総務など後方業務/サービスetc、と職種を問わず、

1.転職市場が流動的な今日でも、新卒で入った会社はやはり社会人としての自分のベースを(いかなる形になるにせよ)形づくる

2.新卒からの最初の数ヶ月、半年、1年、数年をどう過ごすかで、その後の自分のキャリアパスが変わってくる

この2点に尽きるかなぁと(っていっても別にプレッシャーをかけているわけではないです)。

そして、自身の経験だけでなく、過去に経験した新入社員トレーナー職などを通じ、また毎年多くの新卒の友人達の話を聞いてきて、上記の1、2を左右する「ポイント」を、自分は「『2つの客観』というものを意識することが出来るか否か」だと捉えています。

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新入社員の教育では、よく言う「学生気分をまず取り払う」ような研修を行います。でも、これにはメリットとデメリットがある。

■メリット
「これまでの【価値観】を壊し、新しいものを吸収しやすい土壌を作る」
→例えば大学生であれば、今日までは「先輩」であり「最上級生」だった訳です。これが「上は60歳以上」の世界の一番下の存在になる。このガラっと変わった新しい【価値観】をどこまで受け入れることができるかが成長のポイントとなる(これはずーっと旧来から言われていることですね)。
※海外に住んでいたことがある人などは、比較的こうした「違う価値観(異文化)」を容認することに慣れている傾向があるようです。でも自分の例で言えば・・「井の中の蛙」だった事を痛感した瞬間でした。

■デメリット
「企業側の視点(理屈やルール)を押し付けてしまう」
→これは悪い例で、企業に責任がある場合の話。研修で【価値観】を壊すだけでなく、企業の論理を無理矢理刷り込んでしまう(こういう場合に限って教え手は「新鮮な視点・お客さまの視点を忘れずに」とか言います・・)。ところが、教え手自身がすっかり現場離れしてしまっていると、言っている事と求めている事が矛盾してしまう。これでは新卒を採用する意味がない。

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さて。まずメリットの部分で、自分は敢えて【価値観】という言葉を使いました。これが決して「企業のルールや理屈」ではないことに注目してください。ここでは、あくまで「価値観は多様である」という事だけが分かればいい(ロボットになってはいけない)。

次にデメリットの部分で書いたこと。これこそ正に求められている事で、「どれだけお客さまに近い立場で物事を考えられるか」が大切なんです。

つまり理想の状態は、「A:多様な価値観を容認し、新しい情報を素直な眼で見る(自分の経験だけによる先入観を持たない)=客観」+「B:その情報が正しいどうかの判断は『自分がお客さま(もしくはサービスや業務の受け手)だったらどう感じるか?』という視点で決める=主観」。


でも、よく見てください。自分の「主観」を捨てて、多様な価値観を容認することを「客観」と書きました。これを第一の『客観』とします。でも、本来は自分の視点=お客さまの視点=「主観」なんです。つまり「主観=客観」とも言える。そう考えると、本質的には「観」は2つでなくて1つなんです。これを第二の『客観』とします。

ところが、企業側が誤った教育をしたり、受け手である皆さんが受け取り方を間違えてしまったりすると、主観と客観の意味がどんどん離れていく(主観が「客」観からどんどん離れていき、「主」観の要素だけが強くなる)。すなわち、第二の『客観』が「客」観ではなくなっていく。


ややこしくなってきたので話を戻します。結局のところ「世の中や物事・人物や意見を客観視しつつ、判断は主観で行う」というのは、一見どこか矛盾しているように思えます。ここで多くの人が壁にぶつかってしまったり、企業側の方でも間違った教え方をしてしまう。

前に述べたように、主観は、(ここでいう独自の意味付けにおいては)『客観』なんです。そう考えれば、決して矛盾していない。この「2つの『客観』」をバランス良く使い分け、かつ、第二の『客観』を「主」観(=先入観やステレオタイプ)にしてしまわない事が、成長を分けるポイントとなるんです。

* * *

冒頭に書いたように、きっと誰もが、最初に入った会社のことはいつまでもよく覚えているでしょう。もしかしたら、それは「悪い思い出」として残るかもしれない。

でも、新卒を採用しようとする会社は、相当なコストとエネルギーをかけて皆さんを採用し、何かしらの形で教育しようとします。これまでに書いてきたように、企業によってはそのアプローチが間違っている場合もあるでしょう。その結果、入社早々退職してしまう人もこれまでに見てきました。

でも、この『2つの客観』を意識することで、例えば企業側に「至らない部分」があっても、少なくとも新しい【価値観】との出会い(第一の『客観』のきっかけ)になると考えることができる訳です。そして、そんな中でも決して第二の『客観』を忘れてはいけない。


人は、エネルギーのぶつかり合いの中でこそ成長します。そして、新卒を採用する会社の現場には、どのような形であるにせよこの「エネルギー」が満ちているはず。その中で、ぜひ多くの物事を経験し、成長していって欲しいと思います。

自分はこれまでに会社を4つ渡り歩いてきましたが、2つ目の会社からは、あくまで「実力主義」。ひとたび転職の道へ踏み出すと、そこから先は「自分の(転職市場での)商品価値」との戦いの日々です。

皆さんは、もしかしたら最初に入った会社で長い年月をずっと過ごすかもしれない。もしかしたら、早い段階で転職を検討するかもしれない。でも、繰り返し述べてきたように、「新卒でしか学べない事」は確実に存在します。

今はまだピンとこなくても、「まぁそんなもんなんんだ」と今は思ってもらいながら、もし疑問を抱いたり壁にぶつかったりした際、この「2つの『客観』」という考え方を思い出して貰えたら幸いです。

* * *

明日から社会に出る皆さんと、将来一緒に仕事をしたり、もしくは互いの夢やビジョンについて語り合うことができたら良いな、と思っています。そこで最後に、自分の恩師から教わった言葉を皆さんに送ります。

「自らが本質的な変化を求めることによって『選択』に変化が現れ、出かける場所や出会う人に変化が生じる」

「自らの自律的変化に沿った他者の影響を受けることができる」

「そして環境や自分自身に変化が生じる」

「こうして人は成長していく」

* * *


あと数時間後に「社会人」となる皆さんを、心から応援しています。


■FOOMIN'


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